作曲家一覧




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Louis Köhler

(1820年9月5日 - 1886年2月16日)

ルイ・ケーラー(Christian Louis Heinrich Köhler, 1820-1886)は、ドイツのピアニスト・作曲家。ブラウンシュヴァイク出身。ピアノをゾンネマン(A. Sonnemann)、音楽理論をツィンカイゼン(Chr. Zinkeisen 父?)とライブロック(Joseph Adolf Leibrock, 1808-1886)、ヴァイオリンをツィンカイゼン(Chr. Zinkeisen 子?)に学ぶ。その後、1839年から1843年にかけて、ウィーンにて、音楽理論と作曲をゼヒターとザイフリート、ピアノをボックレットに師事し更なる研鑽を積んだ。

その後、マルボルク、エルブロンク、ケーニヒスベルクの劇場で指揮者を務めたが、1847年からはケーニヒスベルクに定住しピアノ教師としての活動に身を捧げた。「チェルニーの後継者」とも呼ばれた彼の下からは、アドルフ・イェンゼンやヘルマン・ゲッツらが輩出し、1880年にはプロイセン国王によって王室教授の称号を授けられている。また、ケーラーは批評家としても眼識や公明さを発揮し、『ジグナーレ Signale』や『ハルトゥング新聞 Hartungsche Zeitung』などに寄稿している。

作曲家しては、劇場での活動時代に、3作の歌劇《王子と画家 Prinz und Maler》(1844頃)、《マリア・ドローレス Maria Dolores》(1844)、《ジル・ブラス Gil Bras》、バレエ音楽《魔法の作曲家 Der Zaubercomponist》(1846)、エウリピデスの『ヘレネ』のための音楽(1843)、テレンティウスの『ポルミオ』への序曲など大規模作品を手掛けたが、教師活動に従事してからはピアノ曲に注力し、作品番号にして300を超える作品を残した。その中には、教育的な作品も多く含まれており、また、『ピアノ演奏と音楽の体系的指導法 Systematische Lehrmethode für Clavierspiel und Musik』などの著作も残している。さらに、ケーラーは、古典作品の楽譜校訂や編集も数多く手掛けており、今日でもピアノ学習者に広く用いられている『ソナチネ=アルバム Sonatinen-Album』の編集者としても知られている。

  1. ケーラーが音楽理論と師事したChr. Zinkeisenとヴァイオリンを師事したChr. Zinkeisenは別人である。彼らについての詳細は不明であるが、各音楽事典において、音楽理論を指導した方はsenior、ヴァイオリンを指導した方はjuniorなどといった記載があることから、恐らく親子ではないかと思われる。
  2. 1.を参照
  3. このようなタイトルを冠した曲集は今日多数出版されているが、ここに挙げているのはPeters社より1878年に第1巻、1892年に第2巻が出版されたものである。第2巻はルートハルト(Adolf Ruthardt, 1849-1934)との共編。
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